自宅にクライミングウォールが欲しい! そう思ってプロの業者さんや大工さんに施工を相談してみたけれど、やっぱり自分で作るほうが費用もかからないし、作る工程もなんだか楽しそう。そう思ったあなたには、DIYがオススメです。
このページではプライベートウォールを自作するのにどんな工具や道具が必要なのかをはじめ、DIYをする時の注意点や失敗例、完成したボルダリングウォールのメンテナンス方法までご紹介したいと思います。
プライベートウォールの作り方や設計図、材料費などを確認しておきたい方は、「自宅にクライミングウォールを自作するには、どうすればいい?」をご参照ください。壁にビス(ネジ、コーススレッド)を打たずに、賃貸物件でも十分な強度を持った安全な壁を作る方法をご紹介しています。
また、クライミングウォールに欠かせないホールドやマット(クラッシュパッド)、ハリボテなどの価格が知りたい方は、「クライミングウォールを買うには、いくらくらいかかる?」をご覧ください。
①プライベートウォールをDIYするのに最低限必要な道具は?
ボルダリング用の壁を自分で作る、というと大がかりな設備やたくさんの工具が必要になるイメージがあるかもしれませんが、実際には下記の4つさえあればDIYを始めることができます。
◾︎電動ドライバー(インパクト、インパクトドライバー)
ビスを締めたりゆるめたりするドライバーの、電動版です。木材や板材にビスを打つのに使うほか、先端のドリルビットを付け替えればコンパネにボルト穴を空けたり、ボルトを締めてホールドを取り付けることもできます。電動ドライバーが1本あれば、プライベートウォール作りに欠かせないさまざまな作業を効率的にこなすことができますので、DIYには不可欠な道具といえるでしょう。
電動ドライバーは「インパクトドライバー」という名前でカインズ、コーナン、コメリなどのホームセンターで販売されているほか、Amazonや楽天などの通販でも購入することができます。インパクトのメーカーはHiKOKI(日立工機)、パナソニックなどがありますが、クライミング業界ではマキタのシェアが多いです。
なお、電動でないドライバーや六角レンチ、ラチェットなどでインパクトの代用をすることも不可能ではありませんが、ものすごく時間と労力がかかってしまうのでオススメはできません。
◾︎ハンマー
ボルト穴に爪ナットを叩き入れるときに使います。爪ナットはパネル(ボード)にボルト用の穴を空けた後、裏からハンマーを使って1個1個打ち込んでいきます。
◾︎スケール(差し金)
木材やコンパネなどの板材の寸法を測るときに使います。
◾ ︎ノコギリ(丸ノコ)
木材やコンパネなどの板材を切って加工するときに使います。電動でないノコギリでも不可能ではありませんが、多くの枚数・本数を切る手間を考えると、電動の丸ノコを使った方が効率的です。特に、作りたい壁の傾斜・傾きに合わせて木材を斜めに切る必要がある場合には、切り口の細かな角度が調整できる丸ノコは大変便利です。各種メーカーからさまざまなものが販売されており、ホームセンターや通販で購入が可能です。
※なお、丸ノコは電動工具の中で最も危険と言っていいものです。ご使用の際には細心の注意を払ってください。
②お得なサービスを活用して、賢くDIY!
電動工具は便利だけど、買うにはちょっと高い…という方には、ホームセンターのレンタルサービスを活用する手もあります。コーナン、島忠HOME’Sなどでは1泊2日からインパクトや丸ノコなどの貸し出しを行っていますので、お近くのホームセンターのウェブサイトを調べてみてください。
貸し出しはとても便利なサービスですが、台数には限りがあるので、作業をする日を決めたら早めに問い合わせすることをおすすめします。特に大型連休や夏休みなどは家族で一緒にDIYを楽しむ人が多く、予約が取りづらい場合もあります。
コーナンでは2泊3日(150円〜)から工具レンタルができます
島忠HOME’Sでは1泊2日(324円〜)から工具レンタルが可能です
CAINZでは工作室(最大2時間まで無料)で工具を借りることができます
③DIYで注意することは?(騒音、木屑処理など)
さて、必要な道具がそろったところで早速DIYスタート!…といきたいところですが、クライミングウォールの製作作業には危険がつきものです。失敗や怪我につながりやすい「DIYあるある」をまとめてみましたので、ご一読の上、安全にDIYを楽しんでください。
◾丸ノコの使用には細心の注意を!︎
電動工具の中で最も危険と言っていいのが、丸ノコです。家の床を傷つけてしまったり、コードを巻き込んで切断してしまったりという失敗のほか、深刻なものでは指を切断する事故も起きていますので、使用の際には細心の注意を払ってください。丸ノコの刃が通るライン上(前方だけでなく後方も!)には、木材以外何も置かないのが鉄則です。
できれば、なるべく丸ノコを使わないですむように、垂木や板材はあらかじめホームセンターでカットしてもらったり、板材ならば元々の幅や長さなどの寸法に合わせて壁を作るようにするとより安全です。例えば900mm×1800mmのコンパネを使って幅2700mm、高さ2400mmの壁を作る場合は、コンパネを縦に3枚並べてクライミングウォールパネルの下部を60cmほど空けるようにすれば、カットしなくてもすみます。
◾︎インパクトの失敗あるある
インパクトを使用する際に気をつけたいのが、指を傷つけてしまうことももちろんですが、マフラーや髪の毛を巻き込んで怪我をしてしまうことです。また、ドリルで壁や床を傷つけてしまう危険も付き物なので、作業時は木材の厚みやビスの長さ、部屋の壁や床からの距離をしっかり確かめ、慎重に行うようにしましょう。
また、充電式のインパクトはどこでも使えて便利ですが、意外とすぐにバッテリーが切れて作業が滞ってしまうことも。予備のバッテリーがあれば常に充電しておくと、DIYがよりスムーズに進みます。
◾︎材料の搬入時も注意!
パネルや垂木を部屋に搬入するときに、壁や床、柱や天井の梁などにぶつけて傷つけてしまった!なんていう失敗例も多く聞かれます。部屋の大きさやスペースを把握して慎重に搬入作業を行うのはもちろん、床にはあらかじめブルーシートを敷き、木材は角をタオルで包むようにすると、万が一ぶつけてしまっても安心です。
◾︎騒音、ゴミなどご近所にも配慮を
特にインパクトや丸ノコなどの電動工具を使用するときは大きな音が出るので、騒音が出ても問題のない環境か、どの時間帯だったら近隣の迷惑にならないかなどを事前にチェックしておきましょう。屋内で作業をする際は床を傷つけないようにブルーシートを敷き、屋外で作業する場合は木屑などのゴミが散乱しないよう、掃除をしっかりとしましょう。
④自分でできる壁のメンテナンスTIPS
プライベートウォールが完成した後は定期的にメンテナンスをしてあげると、より安全にボルダリングのトレーニングを楽しむことができます。ビスやボルトが緩んでいないかは定期的にチェックしておくと安心です。
ホールドにチョークがたまってきたらブラシで掃除するか、時間に余裕があれば取り外して洗浄すると保持感がよみがえります。