自宅で楽しくボルダリングのトレーニングがしたい! 我が家にクライミングウォールが欲しい! と思ったとき、まず気になるのが「プライベートウォールの価格はどれくらいなのか」という点ではないでしょうか。

ここでは、予算別に賢くプライベートウォールを手に入れるための情報と、ホールドやボルト、マットなどプライベートウォールに欠かせない設備・道具の価格情報をピックアップしてみました。

①とにかく価格を抑えたい!!という方(〜6万円)

◼自作ができれば材料費のみでOK!

とにかく安くプライベートウォールを作りたい、という方にはこちらのリンク★で紹介している自作がオススメです。この方法であれば、壁にビス(ネジ)を打たなくてもウォールを製作することができます。部屋のサイズやその他の条件にもよりますが、垂木や板材などの材料費(およそ6万円)のみでトレーニングに十分な大きさのプライベートウォールを作ることが可能です。

プライベートウォール

クライミングウォールをDIYする際には、インパクトドライバーやノコギリ、差し金などの工具が必要となりますので、予めご用意ください。

◼省スペースで移動可能なウォールもあり

また、家の中に十分なスペースがなかったり、賃貸で工事が不可能だという方向けにはこのような商品も発売されているようです。

自立式のクライミングウォールは何種類か発売されていますが、それよりも省スペースで、簡単に組立・解体・収納することができます。足用のホールドはないのでクライミングシューズは使えませんが、椅子などを利用すれば強傾斜での感覚なども再現可能です。

◼ウォール以外のトレーニングアイデア

さらに費用を抑えたいという方にはクライミングウォールではなくなってしまいますが、ぶら下がり健康器にロックリングスを吊り下げたり、メトリウスやビーストメーカーなどのフィンガーボードをドアの上のスペースに設置する方法もあります。フィンガーボードは突っ張り棒を使うと楽に設置することができます。

指の筋肉を鍛えられなくても、懸垂する筋力だけ鍛えられればいい!という方にはドアに引っ掛けるだけでぶら下がったり懸垂ができるグッズや、懸垂専用の強力な突っ張り棒をドアの木枠に設置して懸垂する手もあります。「突っ張り棒」「懸垂」などのワードで検索してみていただければと思います。

②多少費用はかかっても、良いものが作りたい!という方

◼プロにオーダーして、理想の壁を作ろう!

せっかくマイホームに壁を作るなら、ちょっとお金がかかっても良いものが欲しい!という方には、プロの業者さんに発注することをオススメします。自分で製作するよりも短期間で、安心・安全かつ使いやすいプライベートウォールを設計・施工してもらうことができます。

例えば6畳の部屋に施工する場合、ツイキクライミングクリエイターでは、材料費に加えて工事費、人工代として+10万円ほどでご依頼を承ることができます。(2人で一日作業をした場合。別途材料費や交通費など諸経費は含みません。壁の規模やご注文によって価格は変動します)

プライベートウォール作りのお問い合わせはこちらのリンク★からどうぞ。

実際の施工例はこちらのリンク★からどうぞ。

◼レディメイドのボルダリングウォール

ある程度の大きさの壁は欲しいけれど、騒音などの問題があって屋内・室内では工事ができない、または壁が移動式だとうれしい!という方には、自立式の大型のボルダーウォールはいかがでしょうか。いくつか追加ユニットをつなげることにより、より大きな壁にすることできます。

狭い設置スペースでも使用できる自立式 ロックステーション

③プライベートウォールに欠かせない、その他の設備のお値段

プライベートウォールは、壁さえできたら完成!というわけではありません。ホールドをとり付けてマットを敷いて…といった登る環境を作るために必要なものの価格や、選ぶ際のポイントも調べてみましたので、カテゴリーごとにご紹介します。

◼ホールド

これがなければクライミングは始まらない、非常に重要なアイテムです。Amazonや楽天などでは種類も値段もさまざまなタイプが販売されていますが、安くてたくさんのホールドがセットになっているものを安易に選んでしまうのは危険です。なぜなら「ホールドはたくさんあるのに、自分にとって必要なホールドがひとつも入っていない!」という落とし穴にはまってしまう可能性があるからです。送料も思わぬ金額がかかる場合があるので、無料か有料ならいくらかかるのか、事前にしっかりチェックしましょう。

初心者の場合は特にセットの個数よりも、ガバ(持ちやすく、指の第2関節がしっかりとかかる形状のホールド)が十分に入っているかを基準にして選びましょう。また、同じメーカーの同じようなホールドを大量に購入してしまうと、どんな課題を作っても似たようなテイストになってしまうので注意が必要です。

次に注意したいのが、ホールドの材質や仕様です。近年は衝撃に強く頑丈なポリウレタン製が主流ですが、中には異なる材質のものも「プラスチック製」などとして販売されています。ものによってはポリウレタンよりも強度が弱く、事故につながる恐れがあります。購入する際には材質をしっかり見るようにしましょう。

また、事故にはつながらなくても意外と多い失敗が「ホールドを取り寄せたはいいものの、表面のフリクションが思ったよりツルツルで全然持てない!」というものです。ネット通販では確認しづらいですが、販売メーカーに問い合わせたり、ホールドの接写画像を確認するなどして、十分にフリクションのあるものを選ぶようにしましょう。

以上をまとめると、信頼できるホールドメーカーのものをバランスよく、少しずつ買い足していくのが賢い判断かもしれません。ツイキクライミングクリエイターのオススメは、以下になります。

クライミング ボルダリング専門店 SEVEN A

ヨーロッパのメーカー・LapisやBleau Stoneなど、ポリエステル系の重いけれど安定したシェイプと持ち応えのあるホールドを扱っています。特にLapisはカチやガバの種類が豊富で、長いルートなどを作るときに重宝します。

クライミング用品専門店セブンエーオンラインショップ へ

PROSET

ポリウレタン系のホールドとして、品質が安定していてシェイプが好きなのはPROSETです。ポリウレタン系は軽くていいのですが、メーカーによっては使っていくうちにフリクションがどんどんなくなっていくものが結構あります。PROSETのホールドは今までルートセットをしてきた中ではそういうことはあまりないので、お勧めです。

プロセットホームページへ

◼ボルト

ホールドやハリボテをクライミングウォールパネルに取り付けるための金具で、爪ナットとセットで使います。手順としては、まずクライミングウォールに爪ナットを入れるための穴を空け、裏側から爪ナットを叩き入れます(この作業はウォール作りの段階で済ませてきます)。その後、表側にホールドを設置してボルトを差し込み、レンチなどで締めていくと、爪ナットとボルトが噛み合ってしっかりとホールドを固定することができます。

Amazonやホームセンターではいろいろな長さのボルトが販売されていますが、ホールド用のボルトはキャップボルトといいます。ネジ部分のサイズはM10(10mm)で、締めるには8mmの六角レンチが必要です。全ネジと半ネジタイプがあり、長さ(首下のネジ部分の長さ)40mm以下はすべて全ネジ、50mm以上は半ネジと全ネジの2種類あり、当然全ネジが高価格です。

取り付ける壁が18ミリの厚さで、通常の爪ナットが入っているものであれば「ホールドにボルトを通した時に、先端が2cm以上出るもの」をホールドの厚みに応じて選ぶようにしましょう。半ネジを使う場合は、ネジが切れてない部分がホールドより飛び出していると爪ナットのネジを傷めてしまうので、ご注意ください。

ボルトはホールドを買う際に付属で付いていたり、メーカー直売で購入すると運が良ければサービスで付けてくれる場合もあります。

余談ですが、クライミングホールドにはボルトを使って固定する「ボルトオン方式」のものと、コーススレッドなどのネジのみで留める「スクリューオン方式」の2種類があります。

ボルトオン方式は基本的にボルト1本でホールドを留められるので設置が楽なのと、ちょっとホールドの角度を変えたい、という際の調整もしやすいがメリットです。ただし、ホールドが回転してしまうのを防ぐために「回りどめ」のビスを打つ必要があります。また、ボルト穴のない場所には設置することができません。

スクリューオン方式は、ビスが打てればどんな場所にも設置することができますが、ビスを数カ所に打たなければならないのでボルトオン方式と比べてやや手間が増えます。

◼ハリボテ

壁の形状に変化を出したり、傾斜をより強くしたい場合にはハリボテ(ボリューム)が活躍します。ハリボテもホールドと同様にさまざまな価格帯で販売されていますが、あまりに安いものはつくりが歪んでいて歪んでいて壁にとり付けにくかったりと思わぬ落とし穴もあるので、注意が必要です。

ハリボテを購入する際のチェックポイントとしては、

  • 切断面や木材同士の継ぎ目などの仕上がりがきれいか(仕上がりがきれいであればしっかり作られている可能性が高いので、歪みなどのトラブルが少ないと予想できます)
  • 角の面取りがしっかりされているか(面取りがされていないものだと、ぶつけた時に怪我につながる恐れがあるので注意が必要です)
  • 塗装はされているか(フリクション塗装がされているものであればハリボテ自体を手で持てるので、課題設定の幅が広がります)

などが挙げられます。

なおツイキクライミングクリエイターでは、ハリボテ職人・あやのがハリボテの受注販売も承っております(^^) 「ayalabo」へのハリボテ製作のご依頼はこちら★まで!

◼マット

プライベートウォールが無事に完成し、ホールドもとり付けたら、次に必要なのが怪我や事故を予防するマットレスです。効果的なトレーニングを行うためにもしっかりとしたものを選びたいところですが、ボルダリングジムで使われているような30cmもの厚さがあるマットだと、値段も数万円と高い上にプライベートウォールの下部がマットと干渉してフットスタンスが隠れてしまうことも。一般的な部屋(天井高2400mm程度)であれば、クラッシュパッド(2〜5万円)や布団を重ねて代用することも可能です。

一つ注意しておきたいのが、マットを敷く場所です。床に敷くのは当然ですが、振られた拍子に落ちると思いもよらない場所に体が激突する危険性もあります(窓とか!)。事前に自分が行うムーブがどんな危険性を孕んでいるか予測し、適切な箇所にマットを敷くようにしてください。

後は裏技になりますが、ボルダリングジムでマットの入れ替えを行う際に、古いものを譲ってもらうことも場合によっては可能です。ただしマットから出るウレタンのほこりで部屋が大変なことになってしまう恐れもあるので、しっかりとビニールシートで包むなどの対策をとられることをオススメします。

怪我にはくれぐれもご注意の上、ホームジムでのトレーニングを楽しまれてください!