(お客様レポート)プライベートウォールを見学させてもらいました!
Hさん邸のドライツーリングウォールを見学!
2019年6月に施工した、Hさん邸のプライベートウォール。個人用としては規模が大きく、またドライツーリング*の練習のための壁ということで、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。あれから3か月、どうして壁を作ったのかや、プロにお願いしてよかった点などをうかがうべく、インタビューに行かせてもらいました!
*アックスとアイゼンで岩や人工壁を登るクライミングの一種。
写真:しげ 聞き手:竹内春子
どうしてプライベートウォールを建てようと思われたのでしょう?
Hさん(以下:H) 快適な環境で、思う存分練習をしたかったというのがいちばんの理由です。ドライツーリングの練習をする人は、自宅に施設を作ることが多いんです。
立木 今回は新築の家に施工をさせてもらいましたけど、家を建てるときには壁も作ると決めていたんですか?
H はい、壁を建てることを前提に家を建てました。というか、壁のために家を建てたようなものですね(笑)
プライベートウォールを建てる際は、どんなところがポイントになりましたか?
H 家を建てる前からウォールを作る計画だったので、床はコンクリートのままにしてもらって、通常よりも低くすることで、より高さを出しています。さらに天井も高くしているのでリビングの部屋と梁の高さが違うんですが、しっかりした強度を確保できるよう工務店さんに相談しています。
そんな工夫もあったんですね!
H 壁の角度については、コンペで核心部になる135度と180度のルーフ(天井部分)が欲しかったのと、垂壁と120度も練習したいので作りました。コンペに出てくるものは全部もりこんだ感じですね。
立木 ジムで傾斜の強い壁を作る場合は、落ちたとき反対側の壁や人にぶつからないように十分な幅をとる必要があるんですけど、今回はプライベートウォールでかつ一度に複数人が登るような使い方はしないということで、この幅で施工しています。
施工に際して、やっぱりプロにお願いしてよかった!ということはありますか?
H 短期間で仕上がりのきれいな壁を作っていただけたことがよかったです。引っ越す前の家にも壁は作っていたのですが、6畳の広さでも夫が中心になって3〜4か月はかかったので…。
3〜4か月! 今回は3、4日で完成しているんですね。
H 夏の練習に間に合わせたかったので、ありがたいです。コンセントの位置に合わせて壁に穴を空けていただいているのも、使いやすくて助かっています。
綾乃 自分たちが作った壁がどういう風に使われているか、なかなかお話を聞く機会がなかったのでうれしいです!
H 家は無垢材を使っているのですが、プライベートウォールととても馴染んでいてどこからが家の木材なのかわからないんですよ(笑)
本当ですね! 無垢材に合わせた木材で施工されたんですか?
立木 いや、施工時は家の中は見られない状況だったので、偶然です(笑)
他にもポイントはありますか? ルーフの施工も自分でやろうとすると難しそうですが…。
立木 ルーフの板材を貼るのは難しいですね。今回は丈夫な米松という木材で部屋全体を囲う「門がまえ」を作り、十分な強度を確保してルーフ部分の板材を貼っています。高さを出すために「門がまえ」は天井ぎりぎりの位置に作っています。プライベートウォールでルーフを作るのは珍しい事例ですね。
H 天井にぶら下がってもギシギシいったりしないし、安心感があるので、存分に練習ができます! 無理を言って天井にハンガーボルトもつけていただいたので、キューブを吊り下げる時にも安心です。
立木 ハンガーボルトはもちろんルーフ部分の板材でなく、梁から補強をとって施工しています。
自分で壁を作ろうとするとどうしても安全面での心配がぬぐえませんが、プロの仕事なら安心ですね。
H 今は快適な環境で、ちょっとした空き時間でも練習できています。すぐ近くに壁があるので、「もっと練習しないと」という罪悪感に悩まされる時もありますが…。あとは、ドライツーリングの場合は欠けたホールドの破片や木片がリビングに侵入してくるので、掃除が大変です(笑)
最後にプライベートウォールの意外なお悩みも聞かせていただきました(笑)。
Hさん、今日はお忙しい中ありがとうございました!
ツイキクライミングクリエイターでは、クライミングジムや商業施設のほか、プライベートウォールの設計・施工もお受けしています。