ROCKLANDS ボルダー壁改築

ロックランズの運営が引き継がれて早半年。[ボルダー壁の改築工事]がついに念願叶い実現しました。というのも前の運営会社の時にも改築案が立ち消えになっていたので個人的に感無量です。

ビフォアー アフター編

CAD図でわかるように今回の改築において一番大きく変化したのはメインウォール! 横幅16mを4面に区切っていたのを思い切って3面(ルーフ-130度-120度)にしたこと。そして強傾斜を連ねることにより、かなり登り応えのある壁になっていること。

旧H壁がメインウォールと相対する形で存在していたのもなくして待機スペースを増やしたのも大きい!

以前の設計は王道中の王道で面の数を増やして、緩傾斜と強傾斜をバランスよく配置し、とにかく稼働率をあげる。もちろんこれも正解だし、それでかなり自分自身も楽しませてもらった記憶がある。ただせっかく形状を変えるならこれくらい思い切ってやったのはよかったと思う。店長ナイス!

ビフォアー             アフター

ルーフは一見同じに見えるが、最大傾斜ののり面が増えたことにより、完全に体がツライチ部分(ツライチとは面の屈曲がない部分のこと:業界用語)に入っての手数が増える。上部を起こすことにより、H鋼をかわして高さもかせいでいる。

ビフォアー             アフター

ビフォアー:コーナーに対して45度回転させてスタートしている強傾斜壁。

アフター:コーナーに対して7度回転させてスタートしている。120度‐130度壁。

この足元を変化させた理由はクライマーならご存知のようにコーナーは足を側壁の緩傾斜につっぱれて傾斜を殺せてしまいフィジカル要素が少なくなるし、ムーブも単調になりがちでつまらない要素。このオウカクは以前の形だと上部まで登れば壁の幅も広がり楽しくなるのだが、スタート付近は常に足がつっ張れる状態。

コーナーの角度を急にすることにより足をつっぱれる箇所をオウカクから1m程度と区切ることが出来それ以外はツライチになる。思い切ってその1mを捨てて、残りの4mを活かす方が結果、面全体ではフィジカル的要素が強くなる。

ビフォアー             アフター

以前キャンパラングがついていた壁は緩傾斜の記憶があったのだが、いざ増築してみると意外にも壁をかなりふかさなければいけなくてびっくりしたポイントナンバーワン。

アフター:95度からの85度。単純なスラブというよりは多面体でテクニカルな感じ。セッターのセンスが問われそう。。。

ビフォアー             アフター

メインウォールに相対しているH壁。壁自体はかなり人気の壁でそれをなくす勇気はかなりのものだったと思う。

    

ベンチも広くなり、座るところの争奪戦が繰り広げられていたころがなつかしい??

工事編

工事前に大変そうな箇所をイメージしてはいるのだけど、今回は難所が3つほど。

難所その一、現場は階段のみの4階。難所その二、改築では当たり前なんだけど、マット上の作業。これが想像以上に作業効率が落ちる。というよりはふわふわなマットの上では精密なパネルカットはかなり厳しい。なぜなら通常パネルは一枚一枚切らずに多面などでは大きな三角形を丸ごと床の上でつなげて、墨付けしてカットするので床がふわふわだとパネルどうしが平面にならないので大変。

難所その三、解体。人様の作った壁の解体は本当に難しい。何が潜んでるかわからない。。

今回は何回も厚塗りしてる上に初期の段階でビスをパテ埋めしていたのでもう見つけることはほぼ不可能。

上の写真。半日かけてこれっぽっちしか解体できなくて前途多難すぎて青ざめている。

解体の難所攻略は結局ビスを探すのをやめて垂木のラインとパネルを切り離してすべてカットしていくごり押し作戦。途中何度も隠れたビスや爪ナットを挽いて丸鋸はガタガタ。

難所その二攻略は事前に12mm下敷き用パネルと解体端材のパネルをマット上に敷き詰めていき強固な床に大変身。

最大難所の4階までの搬入、搬出はロックランズスタッフ様に多大なご協力をいただき膨大な資材を運搬してもらいました。この場を借りて感謝です。ありがとうございます。材料屋さんのH瀬さんも感謝です。うちのあやもいい歩荷をしてくれてありがとう。

解体が終わればこっちのもんだ!!とばかりに壁を建て始めてはいるが、以前の下地の木骨が当たるところが微妙に判明。ルーフなどは以前より傾斜が起きるので当然あたるのだが、使えるところは使いたいので取捨選択がまた難しい。

パネルを切って合わせていくのは楽しいね。壁建てをやってて高揚感が得られる瞬間。ただH鋼、ブレスの切欠きが多し。。。

疲れ切ってはいるが、スタッフさんやお客さんに喜んでもらえるのが壁建て冥利に尽きる。11日連続の作業でダウンしなくて幸いでした。

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